永久歯の先天的欠損に対する治療
永久歯に先天的な欠損があり、乳歯に大きな虫歯ができています。
どこだかわかりますか?
下の写真、左下の5番目の歯(左下E)は、乳歯です。(写真だと、下顎の右から数えて三番目の歯です)
根の先端に膿がたまり、歯茎が大きく腫れ、激しい痛みを伴っていました。永久歯の場合、根の治療を行うことで歯を残せる場合が数多くありますが、この歯は乳歯で根が特に短く、既に大きな動揺もあったため、残して使うのは厳しいという診断のもと、抜歯となりました。
治療計画は患者さんの希望を最大限考慮した上で決めていきます。
例えば、中間の歯が一本欠損してしまった場合に、
・義歯(入れ歯)は入れたくない
・天然の歯を削りたくない
そのような希望があれば、第一選択はインプラント治療になります。
抜歯3か月後、CTを撮影します。
抜歯後の骨の形態だけでなく、安全に治療を行うために神経などの位置を確認しながら、PC上でインプラント手術のシュミレーションを行います。
オペ後のレントゲン写真です。
オペ後、約3か月で歯が入ります。健康な歯を削ることなく、自分の歯のように満足してなんでも噛めるのは、インプラント治療の最大のメリットです。
永久歯の先天的欠損が1本以上ある方は、日本小児歯科学会の調査によれば10人に1人と言われています。成人になるまで気付かなかった場合は、矯正治療やインプラント治療が必要になる場合もありますが、小児のときに永久歯が無いことが分かっていれば、乳歯と永久歯の生えかわりの時期に簡単な処置を行うだけで対応できる場合もあります。心配がある方は気軽にご相談下さいね。
歯科医師 池