画像で解説 精密根管治療
数年前に治療した左上の歯に、噛むたびに強い痛みがあるとのことでした。すでに根の治療がされており、金属の大きな被せものが入っていました。
全体のレントゲンです。
赤〇の部分には、歯根の先端に透過像(膿が溜まって骨が溶けている様子)が確認できます。
拡大したレントゲンです。
膿はかなり大きく、広範囲に歯を支えている骨が溶けています。
被せものと古い薬を丁寧に除去した後のレントゲンです。
根の内部はかなり汚れていました。黒い影が確認できます。
マイクロスコープ下で確認したところ、歯に亀裂は入っていない様子でした。複雑な根の形をした歯の場合、三次元的に膿の位置を把握するためにCTを撮影します。これにより、痛みの原因をさらに詳しく特定することが可能です。
CT画像から、三本の根の通り道の先のすべてに膿が溜まっていて、歯を支えている骨の上部の空洞(上顎洞)の粘膜も大きく腫れている様子が確認できます。
マイクロスコープ下で感染物を取り除き、可能な限り根の内部を無菌化していきます。薬を詰め終わったあとのレントゲン画像です。痛みはなくなりましたが、たまに噛むと違和感があるとのことでした。
術後、4か月。完全に違和感が無くなったとのことで、確認のためにCTを撮影しました。
粘膜の腫れもしっかり治っており、良好な経過をたどっています。
歯科医師 池