ロキソニンとボルタレンの違い
皆さんこんにちは。
ロキソニンとボルタレンって何が違うの?と思われる方もいらっしゃるのではないかと思います。
本日は、歯科治療で一般的に処方される痛み止めの、“ロキソニン”と“ボルタレン”の違いついてお話をしようと思います。
“ロキソニン”はロキソプロフェンナトリウム、“ボルタレン”はジクロフェナクナトリウムという成分で、お薬の化学的な構造が異なります。
どちらも抗炎症作用および解熱鎮痛作用があり、NSAIDsに分類されます。
抗炎症作用のあるお薬としてステロイド薬が有名ですが、ロキソニンとボルタレン、どちらもステロイドではないお薬になります。
ここから、ロキソニンとボルタレンの違いとして3つの項目(即効性、持続性、効果の強さ)についてお話しします。
① 即効性
お薬を体内に取り込んでから血液中の濃度が最大になることを最高血中濃度と言います。
最高血中濃度になるまでの時間が短かいほど即効性があると言えます。
ボルタレンと比べてロキソニンの方が最高血中濃度になるまでの時間が短いため、ロキソニンの方が即効性があると言われています。(最高血中濃度: ロキソニン→0.79時間 < ボルタレン→2.72時間)
② 持続性
体内に入ったお薬の血液中の濃度が半分になるまでの時間を半減期といいます。
半減期が長いほど、お薬が体内に残っている時間が長いので、持続性が高いと言えます。
ロキソニンとボルタレンの半減期に大きな違いはないため、持続性は同じくらいであると言えます。
(半減期: ロキソニン→1.3時間 = ボルタレン→1.3時間)
③ 効果の強さ
効果の強さについては、体格や代謝など個体差の影響が大きいと言われています。
たまにボルタレンの方が効果が高いと言う方がいますが、①即効性ではロキソニンの方が優れており、②持続性は大差がないため、ボルタレンの方が効果が高いという明確な根拠はなさそうです。
どちらのお薬も消化器障害の副作用のリスクがあり、副作用の発生率はボルタレンの方が高いため、副作用がある分、効果が高いと考える人がいるかのかもしれません。
以上が大まかな違いになります。
同じ分類で作用も似ていますが、違うお薬になります。副作用なども考慮していく必要があります。
このように痛み止めはどれを選択して処方するかは患者様の事を考慮しつつ、なお希望に沿って処方する事もできます。
従って自分にとってどのお薬が合うのか分からない場合は遠慮なくぜひ一度相談して下さいね。
痛み止めだけでなく、抗生物質でも構いません。お待ちしております。
歯科医師 金